ミュシャ・・・国立新美術館にて
1月のある日、ラジオからミュシャ、スラヴ叙事詩、チェコから・・・世界初・・・
という単語が聞こえてきた。
誰だか知らないけど、どうやら日本のどこかで、いつからかわからないけど、なんだかとても、見たい、見に行きたい展覧会がある・・・と思ったものの、つい忘れてしまっていた。
月曜の朝、日本画を描いている友人から、突然興奮した感じで電話がかかってきた。
「今日、一日空いてる?」そう言われて何か大事なことがあるようなので、「とくになにもないです。何かあるのですか?]ときいてみた。
「ああ、今日までなんですね・・・知らなかった」
「違うの!ミュシャ展は、6月5日までだけど、私の持ってる招待券2枚あるんだけど、今日までなのよ。行かない?」
「あ、行きたい! 場所は、最寄り駅はどこでしたっけ?」
地下鉄、苦手だな~ 行き方がいっぱいあって、迷いそう・・・
そんなことを思ってしまったから案の定迷いましたとも(>_<)
チケット売り場に行列ができてる。やっぱりかなり人気がありそう・・・
私はその横を通って中に入った。
待ち合わせの2階にかなり遅れて到着・・・本当にすみませんでした*1
本当に大きい・・・私が絵を見ているのではなく、絵が私を見つめている。
何かを言いたげでもあり、言葉を失ってしまったようにも見える。
哀しみや虚しさを通り越したような乾いた心がそこにあるのだろうか・・・
現実の人々と幻影と、彼の脳裏には見えているのだろうか・・・
色合いが柔らかくて、戦いの本当の悲惨さは、どこかに消し去っているようにも感じる。白い衣がひときわ目を引く。
聖書、宗教改革、聖職者、兵士、女、子供、老人、その他の大勢の人々
抑圧と解放、戦争と平和、希望・・・
スラヴ叙事詩のあとに、パリで活躍していたころのポスターなどが並ぶ
あまりにも違う作風で、本当に同じ人が描いたのだろうかと疑ってしまう。
美しい女性と美しい花々・・・この絵は前にどこかで見た気がする。
こんな機会はめったにありません。あなたも、体感してみては・・・
アルフォンス・ミュシャ
略歴
年 | 出来事 |
---|---|
1860年 | |
1871年 | |
1873年 |
雑誌「モテツト」の表紙を描く。 |
1874年 |
声変わりにより聖歌隊を退団。そのため奨学金も打ち切られ中学を除籍となる。イヴァンチツェに戻り、父の手引きで裁判所の書記の仕事につく。 |
1879年 |
プラハ芸術アカデミーの入試に落ち、舞台装置や緞帳を作っているカウツキー・ブリオシ・ブルクハルト工房の求職に応じウィーンに移る。 |
1882年 |
リング劇場の焼失で職を失い、ウィーンを去りミクロフ(チェコ)に移る。 |
1883年 |
クーエン・ベラン伯爵と出会い、フレスコ画制作の依頼を受ける。以降、伯爵と弟のエゴン伯爵の援助を受けるようになる。 |
1884年 |
クーエン伯爵の援助を受けて、ミュンヘンの美術アカデミーに入学。 |
1888年 |
パリに出て、アカデミー・ジュリアンに学ぶ。 |
1889年 |
アカデミー・コラロシュに学ぶが、クーエン伯爵の自殺により援助を打ち切られる。 |
1891年 |
ゴーギャンやストリンドペリと出会う。 雑誌の挿絵を描く。 |
1892年 |
セニボス著「ドイツの歴史」の挿絵を担当。 |
1894年 |
偶然の出会いにより、サラ・ベルナール主演の恋愛劇「ジスモンダ」のポスターを制作。大変な好評を博し、一躍時代の寵児となる。 |
1895年 |
サラ・ベルナールと6年間のポスター契約を結ぶ。 |
1896年 |
サロン・デ・サン展のポスターを描き、ロートレックらと共に出品。 |
1897年 |
サロン・デ・サンにて個展。 ラ・ブルユム誌ミュシャを特集。 |
1900年 |
パリ万国博覧会が開催、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ館の装飾を担当。 |
1901年 |
レジオン・ドヌール勲章を受章。 装飾資料集を刊行。 |
1904年 |
アメリカに招かれる。ニューヨーク、シカゴ、ボストンを訪れる。 |
1906年 |
プラハにてマリア・シティロヴァと婚礼を挙げ、アメリカに渡る。 |
1909年 |
長女ヤロスラヴァ誕生。 |
1910年 |
祖国に戻りプラハに居を構える。 スラヴ民族の歴史を綴った連作「スラブ叙事詩」の制作を開始。 |
1915年 |
長男イージー誕生。 |
1918年 |
新貨幣や切手のデザインを担当。 |
1928年 | |
1931年 |
聖ヴィタ大聖堂(プラハ)のステンド・グラス制作。 |
1936年 | |
1939年 |
7月14日、プラハにて逝去。享年79歳(亡くなる4か月前、ゲシュタボにより「危険な愛国主義者」として逮捕投獄される。帰宅後、健康を損なう) 加筆:ID:vmari 。
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クリアファイルを買いました
*1:+_+